地編27話裏話

2020/12/10

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いつもお付き合いいただきありがとうございます。
今回は地編27話についての解説となります。

地編27話は四コマ漫画計10本の大ボリューム、
そして新展開突入ということで、なんだか賑やかになってくる予感がします。
あくまで予感、そんな予感です。

特に今回は話を飛ばし過ぎた気もするので
展開についていけなかった方へ、補足記事を書きました。

滋の変化

今回は滋の話がメインっぽいので、
滋の解説を中心に行ないたいと思います。

地編での滋の分岐点:地編16話


「どれだけ栄養を摂って良いのか分からない」という万里花に対して
滋は「(栄養学部生が)教えてくれる環境があるから大丈夫」と伝えようとしますが、
万里花には「ネットの時代だから」と受け止められ、
さらに千里から「栄養学部って何のためにあるのか」と問われます。

千里の質問の意図については…説明が難しいので割愛したいところなんですけど、
「栄養士」ではなく「栄養学部」とした点が千里の独特な視点と言いますか
本当に栄養学部の存在意義を問うような感じの、
根本的で真理を突いた革命性を秘める一言でした。

ただ滋にとってそれらの言葉は、
栄養学部で学ぶ自分への否定と
その先にある栄養士の存在意義に対する疑念へと変わっていきます。

まあ普通そうですよ。
自分のことに置き換えてしまいますよ。
千里の考え方が尋常じゃないんですよ。

そしてこれが滋の悩みのきっかけとなります。

滋は元々空編滋視点からずっと将来について悩み続け、
「栄養士を目指すための栄養学部に入っていいのか分からなくなった」
とも言っているんです。

栄養学部に入る理由は「食に興味があるから」で
とりあえず決着がついたものの、
栄養学部の目的は「栄養士の養成」。
栄養士としてどう働きたいか、と質問されたときに 
滋は「分からない」と保留にしたまま空編滋視点では終わっています。

私自身、学生時代を振り返ると
大学2年生の時点で進路を考えるのは早い気がしますけど、
(資格取得のための履修選択時に将来を考えることはありますけど)
今の滋は大学生活にも慣れ、そろそろ栄養学部の先を見据えようとして
将来を悩む時期だと思うんです。

そんな敏感な時期に仁藤姉弟から指摘され、
滋はふと「栄養士って必要なのだろうか」と思ってしまったんでしょう。

答えを模索:地編22話


22話冒頭、大地の病院研修を聞かされた滋のシーンが上の画像です。

良子の話は咲彩から出ている話になるんですけど
当然滋と咲彩の面識は無く、
それならば何故滋は「懐かしい」と感じてしまったのか
と疑問が出てくることかと思います。

これについては
滋は咲彩ではなく神宮司総統を連想しているのです。

総統と咲彩の繋がりは以前から示唆しておりますが、
全部が全部、総統の考えが咲彩に影響しているわけではないですし
咲彩も今では少し丸くなっているので
神宮司総統と宮成藤咲彩の思想が一致しているとは言い難いんですけど、
そういった意味でこのシーンは描写していました。

そして滋は神宮司総統を思い出すのと同時に
高校当時についても掘り起こすこととなります。

ですので、定食レシピコンテストが滋の脳裏によぎったのが大体22話あたりです。

行動のきっかけ:地編23話


桃ちゃんの告白を滋は「肯定」と捉えています。
存在の「肯定」とか意思の「肯定」とかです。

滋はやたらと自己肯定感が低いんですよね。
基本的に背中を押されないと動けないタイプです。

その原因については空編滋視点小説でも、ぼかして書いありますし
来年3月10日投稿予定の谷藤家の話でそこそこダイレクトに描くつもりです。

滋は桃ちゃんのエール(告白)によって
地編24話の行動へと繋がったのでした。

空編との繋がり


地編27話は、空編滋視点を知っている人にとっては
ちょっと熱い展開になった…と思います。

大地と滋は高校時代の生徒会の、先輩後輩関係です。

大地が高校3年生の生徒会任期中に役職を滋に譲ることで
無事に滋は正式な生徒会役員となったわけなんですが、

今回は滋が大地に献立班の役目をお願いすることで、
高校時代とは逆のシチュエーションになっています。

ただどちらも大地が滋をフォローする構図に変わりないですけども。
だからこそ今回は…な部分もありますので、今後の大地に期待です。

一樹の狙い

滋メインの地編27話でしたが、最も暗躍したのは一樹だと思います。

今回の話において、1つ絶対に知っておかなければいけない設定として
「良子、一樹、美羽は同い年であり、同時に入寮していること」があります。

ただし無印12話に説明してある通り、
美羽は伊藤家が入寮してすぐ休学してしまいます。
なので地編で美羽は滋と同じ学年になっているわけです。

ここで整理しておいた方が良いのは
良子、一樹、美羽の関係性。

良子と美羽だけで考えると、


良子は美羽に対して苦手意識のようなものを抱いているのが分かります。
良子の性格上、明らかに嫌ったり避けたりしないにしても、
良子は美羽との間に少し距離を置いているように
読者視点、感じとれるのではないでしょうか。

一方、一樹と美羽については


一樹は美羽の代返までしています。
「見舞い通い」と言っているので美羽の事情も知っていることになるのでしょう。
つまり、単純な比較をすると美羽との距離が近かったのは良子ではなく一樹です。

さらに3人の関係性を象徴する話と言えば
空編滋視点。


時期としては美羽が休学した年の夏。
良子が一樹と美羽を呼んでいたのに2人とも来なかった話ですね。
上の画像は、滋が明日奈からその当時について詳しく聴いているシーンになります。

これ、よくよく考えてみると
一樹と美羽が来なかったおかげで滋は憧れの良子の定食を食べられたんですよね。
…あ、いえ、何でもないです。

美羽関係の真相は大体、空編美羽視点で書くので…
ええ…書けたら良いなって、思います。

凌空の登場

地編27話で凌空を登場させたのは色々と考えた結果です。

一樹の「ひとり置き忘れているよね」は、
そういえば大地にゆかりあるキャラで
美羽を除いてもまだいることに気がつきましてね。

そう、凌空です。
凌空は前に進んでいるんだよというフォローを入れておきました。

空編で…補足は書くはずなんですけど…
空編の続きを早く書け作者(私)。

地編最終話の構想

…はい。ということで
遂に地編については終わりが見えてきましたね?
見えないですよね、すみません。

地編漫画の最後ですが、
「寮の食事提供」
で終わりにしたいと思います。
打ち切りではないですよ?ちゃんと地編は決着させるつもりです。

もう少し続けようかとも思ったのですが
私自身、既に栄養学部の大学を卒業して時間が経ちましたし
社会人では食品開発もしていましたがそれも昨年退職してしまいました。
私の知識・経験のストックがどんどん古くなってきているのを
ここ最近とても痛感させられるのです。

ですので、変に引き延ばしはせずに
やりたいことをやったら潔く締めようかと思っています。

まあ、話をこれ以上膨らまさないという意識だけで
まだまだやりたいテーマはあったりするので、
すぐには終わりません。

やりたいテーマと言えば、統計分野のテーマを描いてみたいですね。
せっかく卒業研究で勉強したのに勿体ない感じがします。
あとは行動変容とか衛生関連の話もしたいですし、
せっかく食品開発をしていたのでそのあたりの食品の知識なんかも…
終わるのか?地編。

新キャラは…空編滋視点からのゲストキャラは出るかもしれませんが、
美羽視点初登場キャラは出さない方向にしようと思います。
(美羽1年時の寮の先輩キャラとか…)

寂しい気もしますけど特別編の存在がありますし、
漫画だけなら続けられますから寂しくないはずです。

それに地編漫画は寮の食事の提供で終わりにしますけど、
そのあと地編小説として少しだけ続けさせる予定です。
(潔く終わる話はどうなった)

あくまで地編のエピローグ的ポジションですが、
そこでも色々と詰め込もうと思っています。
千里と凌空の話もそちらで。

地編小説の内容については、地編がもう少し進めば発表できますかね?

今回はここまで

体力と時間が無くなってきましたので解説はここまでにしたいと思います。
明らかに説明が不足していますよね…すみません。
まあ別の機会にでもできそうですし、後日の私に託しました。

何か分からないことがあるようでしたらpixivの方か
長文ならこちらの記事にでもコメントいただければ幸いです。
と言っても今回の「料理とヒト」は概念的なテーマなので
質問あるかなあ?と疑問になりますが…。

次回の投稿は特別編でしょうか。
地編28話も特別編も9±1本予定なので、しばらく重い作業量が続きます。

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