夏がくる

2021/06/07

いき3 ネタバレあり 小説

いき3さんの小説「夏がくる」

上の画像は、記事サムネ用の画像をどうしようかと悩んだ結果、
「ダイヤのA」過去絵の奥村を拝借しています。
いき3さんの小説に野球少年は出ますが、
「ダイヤのA」とは全く関係の無い
オリジナル一次創作なのであしからず。
小説用の画像、そろそろちゃんとしたものを準備しないとですな。

そういえば、垣原君の野球の守備ポジションはどこなんですかね。
顧問の先生が心配そうに声をかける辺りの描写を読むと、
ピッチャーやキャッチャーでは無い気がします。
もしバッテリーを組んでいたら顧問よりも先に
相方が教室に乗り込んでいそうなイメージがあります(笑)
それか、もしくは実はバッテリーを組んでいて相方はいるんだけど
勝負重視な相方で意見が合わなくなって
誰にも相談出来ずについ加瀬さんに愚痴ってしまったのかも。

中学~高校あたりの時期って、こういう悩みが出ますよね。
青春あるある。
好きなものを「続けるか」「続けないか」の選択。
野球となるとなおさら勝ち負けの世界になるので、
彼にとっては厳しい選択なんだろうなと思います。
加瀬さんの回想からひしひしと伝わりました。

負けると皆泣くのに、俺だけは泣けなくて。なんで皆泣くのか、理解できないんだ
(「夏がくる」より引用)

ただ、この言葉に関しては、きっかけの1つだとは思うんですけど
根本的な問題は素直な気持ちを表に出しにくい(取り繕ってしまう)彼の性格
から起因してそうだなという、個人的考察です。

と深刻に受け止めて考えてみたものの、
「辞めたい理由を理解した上で、辞めることを止めてくれる人を欲していた」
という単純な話な気がします。
しかし垣原君の悩みは誰にでも話して良かったものではなくて
気持ちを理解できる加瀬さんがそれだった、
偶然の選択なんだろうけど、話したのは必然みたいな…
上手く言語化できませんが「運命」ってやつですかね。

pixivの作品コメント欄には、
加瀬さんのことで終わってしまいました。
流石にこの量の感想をコメント欄に書いたら荒らしっぽく見えるんで、
加瀬さんのことだけでもと書いていますので
気になる方はブログ上部のpixivタブからフォローリストの「いき3」さんを辿って
私のコメントと合わせて小説を読んでみよう!!

今回の小説は読んでいて、何故か切ない気持ちになってしまったんですよね。
加瀬さんと垣原君の悩みって同じ悩みに見えて
あくまで「似ている」までであって。
加瀬さんの方が重症っぽい気がします。

もう誰も、見てないよ
(「夏がくる」より引用)

果たして、垣原君の
この言葉が加瀬さんを救えるのか!
読み手へ想像を任せる余韻の綺麗な小説でした。

基本的に、いき3さんの小説は最後の余韻が綺麗ですよね。
書くジャンル的にそうなんだと思うんですけど、
(ホラーオチになったらそりゃびっくりですけど)
それにしても綺麗に締めていただいているので気持ち良いです。
私も見習いたいと思います。

と言いつつ私は今
「肉が裂けて骨が剥き出しになる表現いいな」とか
「プチプチみたいな音を入れたらグロいかな」とか
考えています。
…小説を書く姿勢を見習いたいと思います。

因みに、投稿コメントで
「加瀬さんは本当に文才があった」説を推す私としては
「誰も見てない」は本当に彼女にとって良いおまじないになると思っています。
どうせ高校なんて皆の前で感想を読み聞かせすることは無いでしょうし、
気持ちだけ整理した上で力を取り戻し、
文芸コンクールで賞をバシバシ取っていきそうな未来が想像できます。
加瀬さんの立ち直りは垣原君ほど早くも軽くも無さそうですが、
明るい未来しか見えないですね。

ということで、いき3さんの小説感想記事でした。

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