空編ダイチ視点解説
大変お待たせいたしました。
本日、ダイチ視点ラスト(ダイチ#2)を全て公開しました。
ダイチ視点では
無印、海編、空編、地編の
伏線を回収したり、
また新たな謎が生まれたりと
重要な回となりました。
そしてシリーズ史上
最もエグいのがダイチ視点の特徴でした。
そりゃ、ダイチの記憶・人格も喪失しますよね。
ダイチ#2の特徴ですが、
Episode-15の途中からダイチ視点がズレます。
どうズレるかというと、
人間ダイチ視点から
人間ではないダイチ視点へ移るということです。
人間ダイチはあの時点でダイチ視点から離脱するため
(記憶喪失といいますか人格喪失といいますか)
残った非人間ダイチに視点が移ります。
この人間ではないダイチは誰かというと
佐藤凌空(サトウリク)と呼ばれる人物です。
リクは人間ではありません。
人間ではない
この物語には「人間」「偽人間」「ロボット」という
三つの立場が提示されています。
今回の開示によりリクは
「人間」ではないということが
ぼんやり分かってきたところだと思います。
『学校に通っていない(無印)』ですとか
『食事の描写が無い(無印・海編・地編)』
なんかのヒントはあったので
予想していた方はいるかもしれませんね。
ただし今回はあくまでも「人間」ではない、
という確定情報だけですので
偽人間なのか、ロボットなのか、
はたまた第四の立場になるのか、
そこはまだまだ謎のままです。
リクが何者なのか、
そもそも「偽人間」と「ロボット」の違いとは、
それらは今後のキャラ視点で
情報を落としていけたらと思います。
人狼ゲーム
ダイチ#2のメインとなった議論型ゲームは、
人狼ゲームからインスピレーションを得ています。
ここで皆さまに少し解説と
ネタバラシをさせていただきます。
今回、人狼陣営もといロボット陣営は、
オウシキとトミオカでした。
オウシキはロボット陣営ではありますが
実際は偽人間という第三陣営であり、
(人狼だと『妖狐陣営』というべきか)
ロボットとは異なる企てがあったので、
彼女はゲームの途中で姿を眩ませます。
オウシキの生死については、
シゲル視点を読んでいれば分かりますよね?
(読んでない方は是非シゲル視点を!)
そして残りが村人陣営
もとい人間陣営となります。
それで実はこの中に人狼で言う
「狂人(村人判定が出るけど人狼陣営に付いている人)」
が混ざっていたのですが、
残念ながらダイチ#2の視点では
深く掘り下げられませんでした。
人狼ゲームで「村人」と「人狼」の
配役で遊んでいたつもりが、
「村人」「人狼」「狂人」「妖狐」の
配役で遊んでいたみたいな感じです。
もうめちゃくちゃですね。
また、「村人」にも腹に一物あったりするキャラがいて、
配役以上に「村人」に不利な人狼ゲームに
なったんじゃないかなと思います。
海編完全推理はまだ遠い
私が空編でやりたいことの1つとして
『海編真実の開示』があります。
海編ではカイが情報不足のせいで
誤った推理をしてしまいました。
空編を通して、
シゲル視点で情報開示⇒ミキ視点で海編真相開示
ダイチ・リク視点で情報開示⇒ワタル視点で海編真相開示
ミウ視点で情報開示⇒(伏せ)視点で海編真相開示
という構成になっています。
ですので、この段階ではまだ
海編を完全に推理することは不可能です。
役者が不足しています。
それでもこの段階で
『海編で何が起こっていたか』については
少しずつ分かってきたのではないでしょうか。
ワタルとエシオン
ずっと考えていたワタルの心情変化ですが
既に言語化できているワタルの行動を辿っていくと、
最終的に「承認欲求」を軸にして描くとスッキリ収まりました。
ワタルがミナトとレイコをイジメて
ツヨシをイジメない理由を昔から決めていたからこそ、
その設定を壊さずにワタルとエシオンの距離感に
どう折り合いをつけるか、今回凄く悩みました。
結局、ワタルにとってのエシオンは
「自分がのし上がるためのツール」ってことにしました。
ワタルにとってカケルを助けようとしたエシオンは
好きだったのか?憧れだったのか?
ワタル本人の視点だからこそ「違うかもしれない」と
自分の感情が分からなくなっているのです。
このあたりの気持ちはとりあえず
読者の皆さんの想像へ委ねたいと思います。
人を助ける便利ツールのエシオンが
本当は人を傷つける凶器だったと分かったワタル。
便利ツールをミナトに奪われていたと思っていたのに、
ずっと凶器を握らせていたと知ってしまったワタル。
まあ、色々誤解しているんですけどね。
これが海編の裏側です。
チートキャラワタル
海編や空編シゲル視点を読んでいれば
ワタルがいかにアンジャッシュしているか
分かるんじゃないでしょうか。
構造は海編のカイに近いです。
エシオンという組織が二つあることをワタルは知りません。
そして厄介なことに聴覚過敏というチート術で
コンダクターが指揮するエシオンの中に
ロボットが混ざっていることを指摘してしまいます。
「ロボットのいるエシオン」ということで
周りからは「ミケサンが創設したESION」だと
誤解され、視点によってはワタル自身が
ミケサンが創設したESIONの関係者だと
思われてしまうというミラクルプレイを
起こしているのが今回のワタルです。
事故登場キャラの生死
「R-18G」タグを付けた今作ですが、
ダイチ#2だけで生死がハッキリしていないキャラがいます。
亡くなった説明がされていないキャラは
「生死不明」とさせていただきます。
その代表格がイタオカケル(ワタルの兄)です。
父親については「死んだ」とワタルも言っていますが、
カケルについては「助けようとした」までの言及しかなく
生きているのか死んでいるのかは書いていません。
カケル救出にダイチ(リク)が一枚かんでいることは
ダイチ視点とワタル視点の情報を合わせれば
薄々気付くと思うんですけど、
生死を書かないことで「ダイチ(リク)って何者なの?」という
不安を煽れるかなと思い、伏せています。へへっ。
けどあまりカケルについては期待しないでくださいね…
人間ダイチも語り手としては不十分です。
他の視点と照らし合わせながら地道に考察し、
間違えている部分は他の視点で訂正して補ってみてください。
人間ダイチと非人間ダイチで持っている情報が
少し異なるのは勿論のこと、
人間ダイチと非人間ダイチで語り手としての
得意分野が異なるように意識して書いています。
信用できる情報同士を合体すれば
将来的には解説無しに読者だけの力で
真相まで辿り着いてくれたらいいなあ
と思っています。
(あとは私自身の描写力スキルが試される)
ロボット処刑ゲームのキャラ裏話
今回、ダイチと居合わせた
オウシキ以外のキャラ達は、
千葉県浦安市の地名から取られています。
ネコザネ(猫実)
トミオカ(富岡)
イマガワ(今川)
ミハマ(美浜)
タカス(高洲)
確か、設定作成当時は
タカスを別の名前にしていたんですけど、
その名前の人が今の職場におりまして、
タカスのキャラの特性上その人の名前を使うのが
いたたまれなかったので変更しました。
(性格酷い上に仕打ちも酷いので)
地域名の由来とキャラのリンクはあまり考えてなかったのですが、
「猫実」の由来(根越さね)は少し意識しています。
どのキャラも設定をそこそこ練っていますので、
いつか設定を全オープンできるよう
小説本編とブログ解説頑張ります!!
トミオカの意図
ゲームの最後。
トミオカは投票先を変更し、
自滅という形を取りました。
読者に考察してもらうのも良いとは思ったんですけど、
このシーンだけトミオカの身に何があったかを
書いておこうかなと思います。
そもそもの話。
トミオカは最初から最後まで
ダイチをロボット陣営だと思い込んでいました。
トミオカは人に愛されたくて、
人として扱って欲しいという欲求を持つロボットです。
いずれ小説で書く予定ですけど、
ESIONの「I」は、マイルドに言えば「交際」という意味の
英語の頭文字から取っています。
トミオカは同陣営のダイチを蹴落としたくて
ダイチだけ処刑することを狙っていたのですが、
最後、ネコザネに「生きて欲しい」「友達になれる」と
ダイチに話したことで人間への独占欲は
ダイチに対する嫉妬へ明確な感情として
浮き彫りになっていきます。
そこから、自分が処刑者になることで、
救出者のダイチを処刑できると
トミオカは考えたのでした…
ネコザネの正体
ここまで解説を読んでくださった方は
ネコザネも気になってくるかと思います。
色々察してしまう方には察せられると思うのですが、
ネコザネは人間ダイチと面識はないですが、
非人間ダイチ(リク)と面識はあります。
ゲーム最初にネコザネが自己紹介をせずに
ダイチへいきなり話しかけているのはその影響だったりします。
今後、ダイチ(リク)視点でネコザネの話を
是非書きたいと考えておりますが、
もし忘れていたらpixivのコメントでご指摘ください。
(他力本願)
その他気になることがあれば
今回のダイチ#2は、
10年規模で設定・構成を練った
1つ目の集大成です。
「リクは人間ではない」という大きな設定を
出せたことは作者としてホッとしつつも
ずっと温めてきた設定を出してしまったという
寂しい気持ちもあります。
リクの2つ目の大きな設定は
(2つ目の集大成というやつ)
物語の根幹に関わってくる開示にもなりますので、
創作活動20年行く頃には出せるように
今後も小説を投稿していけるよう頑張ります!
(もっと投稿ペース頑張れ)
登場キャラは今後も増えていくので
全てのキャラの動きや考えを
創作に盛り込むことは難しいです。
気になることがあればpixivのコメントで
質問いただけたら回答させていただきます。
回答の内容が長くなるようでしたら
解説として小説もしくは漫画(イラスト)の形で
回答させていただく場合もあります。
ダイチ#3以降
以前からダイチ#3よりリク視点開始
と予告しておりましたが、
具体的には、ダイチ(リク)視点が描かれます(笑)
リク視点として
まだまだダイチの物語は終わりません。
と、リク視点の前にミウ視点が始まっています。
(ブログの記事にしていませんが既にミウ#1を公開中です!)
ダイチ#3はしばらくお待ちいただければと思います。
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